大きなやりがいを得られる一方、精神的な負担も大きくなりがちな介護の仕事。介護職は、利用者の苦しみや悲しみを理解し、共感しようと努力する中で、知らず知らずのうちに共感疲労に陥ってしまうことがあります。
共感疲労とは、他者の苦しみや悲しみを自分のことのように感じすぎてしまい、精神的に疲弊してしまう状態のことをいいます。介護職は、日々いろいろな困難を抱える利用者と接するうちに、利用者の感情に深く入り込みすぎることがあります。この状態が続くと、自分自身の感情を抑え込み、ストレスをため込んでしまうのです。
辛い経験を語る利用者の話を真剣に聞き、深く共感することで、利用者と同じような苦しみや悲しみを自分自身も感じるようになってしまうことも共感疲労の一例です。また、常に利用者の感情に寄り添いサポートしようとするあまり、自分自身の感情を後回しにしてしまい、精神的な疲労が蓄積していくこともあります。
このような状態が続くと心身のバランスを崩し、仕事へのモチベーションの低下や、ひいては離職に繋がる可能性もあるため軽視できません。そのため、介護職は共感疲労の症状に注意を払い、自分自身の心の健康を維持するための工夫をすることが大切です。
介護の現場では共感力が必要になりますが、共感力が強すぎるとこのようなデメリットが生じてしまいます。共感疲労に陥らないようにするためにも、まずは自分を優先的に大切しましょう。